Razer DeathAdder V4 Pro ホワイトをレビューしていきます。DeathAdder V4 Pro は、eスポーツ向け製品の評価や人気ランキングを取り扱う Prosettings.net において、唯一Top5にランクインしている右手専用マウスです。今回は前作のDeathadder V3 Proから変更されたポイントや、どのような方におすすめかをまとめていきます。
レビュー用サンプル提供:Razer
結論及び感想
Razer DeathAdder V4 Proは前作のV3から順当に進化した大型のエルゴノミクスマウスです。
重量は63gから56gに軽量化され、コーティングも滑りにくいものに改善されています。さらに付属のドングルはネイティブで8Kに対応し、ソールの形状もViper V3 Proと似た形状に踏襲されています。
その他細かい部分も基本的には改善傾向にあり、全体的なクオリティがブラッシュアップされた抜け目のないマウスに仕上がっています。
ソフトウェアダウンロード先:https://www.razer.com/jp-jp/synapse-4?srsltid=AfmBOoo3MYtut1TJ3SSta58R_3n7x-bb9DcT83rd6NDYznYvdKy_Pqu2
スペック
大型右手専用
デザイン
カラーはホワイト/ブラック2色展開。今回頂いたのはホワイトです。マットホワイトにブラックカラーのRazerロゴが印刷されたシンプルなデザインです。全体的な印象はDeathadder V3 Proとさほど変わりありません。
(細かいですが)トップシェルは指紋の目立ちにくいマットホワイトですが、ボトムシェルのRの部分は艶のあるグロッシーホワイトになっています。


形状と持ち方
形状は旧作のDeathadder V3 Proから変更されていません。これはRazerから正式にアナウンスされています。
Deathadderの形状は王道的なエルゴ形状の大型バージョンと言えます。親指側は滑らかな曲線に。小指側は直線的な形状から後方に向かってだんだんと広がった形状になっています。頂点はほぼ中心にあります。
エルゴマウスは特にこのマウス後方が掌にフィットするようになめらかに広がっているのが特徴です。故にマウスによる掌の圧迫感は大きく、左右対称マウスと比較して持ち方に自由が効きにくいのが具体的な欠点となっています。その分かぶせ持ちのような掌をがっつり覆いかぶせてマウスを動かす人には最適な形状と言えます。




重量
Razer DeathAdder V4 Proの公称重量はブラックが56g、ホワイトが57gです。実際に計測してみたところ、手元にあるホワイトは56.4gでした。ソール込みでこの重量なので、公称値をオーバーしないようにかなり正確に製造されていることがわかります。素晴らしいです。
| 似たような形状のマウス | 形状 | 重量 | 購入先 |
| Pulsar Xlite V4 | エルゴ | 58g | Amazon |
| WLmouse SwordX | エルゴ | 47g | Amazon |
| Logicool G PRO X SUPERLIGHT DEX | エルゴ | 60g | Amazon |
| ELECOM VK800 | ハーフエルゴ | 59g | ELECOM |
| ZOWIE EC2-DW | エルゴ | 60g | ZOWIE |
| VAXEE E1 | エルゴ | 60g | VAXEE |
軽量化の背景としてRazerのグローバルeスポーツ ディレクターであるジェフ・チャウ氏はこのように述べています。
ジェフ・チャウ氏長時間のセッションでは手指や手首への負担が積み重なり、パフォーマンス低下の要因になる。そこで、微細なマイクロムーブが行いやすく、余計なストレイン(負担)を与えにくい軽さとバランスに仕上げました。
引用先:https://valorantnews.jp/archives/105286 →非常に面白い記事なのでぜひ目を通してみてください。
メインクリック
メインクリックのスイッチは第 4 世代オプティカルマウススイッチにアップデートされています。これは昨年リリースされたViper V3 Proよりもさらに1世代新しい最新のスイッチです。
クリック感は相変わらず良好で、旧作のDeathadder V3 Proと比較すると歯切れがよく、少し高音域が響くようなクリック音になっています。
後に触れますが、光学式ということもあり非常に高速なクリック速度を実現できるものになっています。
サイドボタン
Deathadder V3 Proからの変更点としてサイドボタンの形状があげられます。
Deathadder V3 Proではサイドボタンが隣接していたのに対し、DeathAdder V4 Proではサイドボタンの長さが数ミリほど短くなり、サイドボタンの間に隙間が設けられました。これにより指の大きい人でもサイドボタンを誤爆する確率が低くなり、サイドボタンの取り回しのしやすさが向上しています。
Viper V3 Proからこのセパレートスタイルだったので、おそらくポジティブなフィードバックが寄せられ、V4でもこのスタイルが採用されたのだと思います。




コーティング
コーティングはViper V3 Proと同じような滑りにくく指紋が目立ちにくいものにアップデートされています。そのままでも比較的高いグリップ力を持ちますが、むしろ少し手汗をかいた方が滑りにくいのではないかと思うほどのものです。
Deathadder V3 Pro(ブラック)の表面はシボむき出しだったのでグリップ力が皆無でしたが、V4からはブラック/ホワイトともにコーティングが施されているので、体感できる中でも良いアップデートだと思います。




マウスソール
マウスソールも旧作のようなスプリットタイプではなく、接地面積が大きい大判面ソールに変更されています。
面になることによって設置面積が広がり、エッジがマウスパッドに沈み込んだ時に発生する引っかかりを最小限に抑えることができます。またソールの厚みのズレがなくなるため、ガラスパッドでもそのまま使用しやすいといったメリットもあります。
ただし点やスプリットタイプと比較して摩擦が発生しやすくなるため、点などと比較して滑走時の速度が落ちやすく、沈み込みも発生しにくくなります。これらが不便に感じる人は購入後に点ソールなどに換装するのがおすすめです。


付属8Kドングル
付属の8Kドングルはこれまでの大径型とは異なり、ドーム型の形状をした新しいものになっています。
実際に触ってみると驚くのですが、ドングルそのものに重量がかなりあります。計ってみるとこれまでの8Kドングルが約13gだったのに対し、新しいドーム型の8Kドングルは約46gでした。これは様々な理由が考えられますが、筆者の予想だとシンプルにドングルをデスク上に置く際に、ケーブルの重さに釣られドングルが浮いたり、デスクから落ちないようにするためだと考えられます。
シンプルにドングルに重みが乗ったことによって実用性も上がり、かつ重厚感が感じられ所有欲を満たすパワーが上がっています。このような細かい部分にもアップデートが入る最近のRazerの企画開発陣には本当に脱帽です。


センサーテスト
MouseTesterでセンサーの動作確認を行いました。布製マウスパッドおよびガラスマウスパッドでも問題なく動作します。
実際に使用していても遅延を感じることはほとんどありませんでした。(←疾風乙/VA-005→)




クリック遅延
クリックの反応速度は極めて高速です。最速値で0.2m/s、平均でも0.5m/sと平均的な8,000Hzマウスよりも2倍近く速いです。
PCBや通信規格など様々なものが影響していると考えられますが、これもRAZER OPTICAL MOUSE SWITCHES GEN4の恩恵といえそうです。実際に使用していても遅延を感じることはほとんどありませんでした。


購入方法&まとめ
Razer製品は日本ではAmazonや大型家電量販店で購入することができます。この販路の広さもRazerの優れているポイントの一つと言えます。
DeathAdder V4 Proは大型のエルゴノミクスマウスということもあり、スタンダードに見えて実は少し癖が強いマウスです。掌が大きめの方でもエルゴマウスが初めての人は、可能な限り実店舗で触れて、Viper V3 Proなどと比較してから購入するのがおすすめです。
価格は税込28,980円とゲーミングマウスとしてはかなり高めです。形状だけを考えれば他の安価なエルゴマウスでも代替品が見つかるかと思います。とはいえ圧倒的なビルドクオリティとクリック遅延。細かな部分への配慮は他のメーカーの追随を許さないほどです。予算が許すのっであれば、ハイエンドのエルゴマウスとしては真っ先に候補に入れていいマウスといえるでしょう。
明らかにここ数年のRazerはeスポーツシーンを意識した製品企画力の向上が見受けられます。今後の新製品にも注目していきましょう。





















